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ゲームの対戦記録など

ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム

最高傑作を超えた傑作!

史上最高の作品とも言われたゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドの続編。余りにも前作の完成度が高かったためそれを超える続編など作れないのではないかと思われていた。しかし開発メンバーはそのハードルを余裕で超えてきた。

 

元々他に類を見ないほど広大だった前作の世界の3倍近い広い世界を、前作以上に自由に移動できる。地上だけでなく、空や地底まで世界は広がっている。移動手段も無数に用意されており、プレイヤーのアイデア次第でより便利な移動手段を作り出すことも出来る。

このゲームでは最近では当たり前になってきている物理演算を見事にうまく利用している。ものとものをくっつけて、高い所に登ったり、水を渡ったり、はたまたそれを火や風で動かしたり、思いついたことはたいてい何でも出来る。謎解きは開発者が用意した答えを探すというものではなく、プレイヤーの自由な発想でいくつでも答えが見つけられる。気が付くと、日常生活でも自然現象を見て「あの場所、こうやったら進めるんじゃない?」って考えてしまってる。ゼルダ脳になってしまった。

この自由さを実現して破たんしていないんだから、開発時のデバッグ作業は地獄のような仕事量だったであろうと思う。よくここまで高い完成度に仕上げてくれた。感謝しかない。

 

感動的かつ膨大なストーリー

いつもは主人公感がないゼルダだが、今回はタイトル通りの「ゼルダの伝説」。いい物語。前作の子供の頃から重すぎる使命と劣等感に苛まれ、悲惨すぎる過酷な運命に晒されながらも健気に生きるゼルダ。いくら努力しても報われず、何度も大切な人を失い、希望を未来に託して本当に「伝説」になってしまう。常人なら狂うレベルの残酷な人生。

 

ゼルダの周囲の人物たちの物語も秀逸。周囲には明るく振舞いながらも葛藤を抱えながら生きており、迷いがある。しかし最後にはゼルダの残した道しるべに従い、リンクと共に進むことになる。

 

街中にいる人々一人一人に対してもストーリーが用意されている。さらに進行状況、天候、時刻、リンクの服装や装備などによってセリフが変わる。信じられないほどのテキスト量で、全てを見るのは不可能なのではないかと思われる。

開発者の話によると、多言語化対応の際には海外の翻訳者にそのあまりの膨大さにクレイジーだと言われたらしい。そりゃそうだ。

 

ときどき前作の登場人物も現れ、続きの物語を見ることができる。前作をプレイした人であれば思わずニヤリとしてしまう。もちろん前作をプレイしたことがなくても楽しめるようになっている。

 

探索と謎解き、そして戦闘

ゼルダと言えば探索と謎解き。そしてこのボリュームはストーリー以上に膨大。ダンジョンだけでも、ゼルダ伝統である「神殿」のほか、前作から引き継がれた「祠」、今作から登場した「洞窟」、「井戸」など、大なり小なり合わせてダンジョンの数は数百に及ぶ。そのほとんどは解くのも解かないのもプレイヤーの自由である。

世界に絶妙にヒントがちりばめられていて、探究心を煽られ、Webなどで答えを見ようとは思わなくなる さらに複数の探索要素を並行して進めることが効率的になるようにバランスが調整されており、飽きさせない。凄い

 


街中の人から頼みごとをされるクエストも多く、それらはダンジョン探索や謎解きと結びついている。その数もまた数百にのぼる。

また世界中に宝箱やコログが隠されており、それはそれぞれ千個近くある。探すための手段が複数用意されているとはいえ、とてもじゃないがすべての要素を探索しつくすことは出来ない。

 

そして戦闘。ボス戦はもちろんのこと、そこら中にいる雑魚敵との戦い、敵の多く集まる拠点での集団戦、大型モンスターの討伐戦、強敵との一騎打ちなど色んな戦闘が楽しめる。武器一つで闘うもよし、道具を駆使して闘うもよし、乗り物に乗りながら闘ったり、機械に戦わせて高みの見物をするもよし。決まった答えがあるわけではなくどんな楽しみ方も出来る。Twitterなどを見ていると、とんでもない戦い方で遊んでいる人が大勢いて、それを見るだけでも楽しい。

 

また大型モンスターは各種類について全てを討伐すると褒美がもらえる。ただしハイラル中を探し回って全てを見つけるのは並大抵のことではない。ヘビーユーザーのためのやり込み要素の一つと言える。

 

他にもミニゲーム、装備の強化、料理のレシピ、馬の装飾、パラセール生地、バッテリー、図鑑、家や人形の製作、地図の制覇など膨大なやり込み要素が存在する。

 

おわりに

発売から三か月、365時間をかけてゲームをクリア。ラストの物語は最高だった。

その時点で地図の制覇率は70%程度。図鑑と祠とバッテリーは終わったが、井戸も洞窟もコログも料理レシピも大型モンスター討伐も防具強化もクエストも残っていた。その後ものんびりと続けていくことにした。

それから1か月。100時間ほどかけてクエスト、井戸、料理レシピ、所持している全ての防具の強化、モルドラジーク・ブロックゴーレム・グリオークの討伐を完了。

残るはイワロック 32体、ヒノックス 23体、デグガーマ 17体、洞窟7か所、コログの実数百個。地図の制覇率は80%程度。出来る限りまでコンプリートしたかったが、プライベートの時間は有限。そこで自分にとっての一大ニュースが飛び込んできた。風来のシレン6の発表。発売は4か月後。シレンのプレイ時間確保のためにゼルダはここで切り上げることにした。

 

プレイ時間470時間。これだけ遊んでも決して飽きたわけではない。まだやり足らないぐらいである。この世界で試してみたいことは色々あるし、のんびりと景色を眺めながらゆっくりと歩きたい気持ちはある。しかし仕方がない。自分の冒険はここで終了。

 

開発者の方々、類まれなる素晴らしい体験を提供頂き、ありがとうございました。